「うわぁっ、やっちまった!」——ハスカップ畑、草との静かな攻防

「うわぁっ、やっちまった!」——ハスカップ畑、草との静かな攻防

イランカラㇷ゚テ!(アイヌの言葉で「こんにちは!」)

欲しいエスプレッソマシーンは手動のエスプレッソマシーンです。
今日行ったお菓子とコーヒーのマルシェで使っているお店を見て、どうしても欲しくなった研修生Hataです。

いつもご愛読ありがとうございます。


北海道厚真町の春。

青空のもと、今日もひとり、刈払機のエンジン音がハスカップ畑に響き渡ります。

この時期の恒例行事、草刈り。

畑一面に芽吹いた雑草たちは、まるで待ってましたと言わんばかりにぐんぐん伸びていきます。

けれど、彼らをすべて一掃してしまうわけにはいかないのが、ハスカップ農家の難しいところです。

草を刈るとき、最も神経を使うのが「ひこばえ(蘖)」の存在。

ひこばえとは、植物の根元や幹の下の方から新しく出てくる若い芽や枝のこと。

これがまた、雑草にまぎれてひょっこり顔を出しているのです。

特に注意しなければならないのは、樹のすぐそばから出ているひこばえ。

残しておきたいひこばえ

これらは、将来の主枝となるかもしれない、いわば“次世代の希望”。

一本の木が長く元気に実をつけてくれるかどうか、そのカギを握る存在です。

だから、うっかりこれを刈ってしまうと……

「うわぁっ!やっちまった……」と、誰もいない畑でひとり叫ぶことになります。

(実際、叫びました。笑)

刈り取ってしまうひこばえ

一方で、少し離れた場所から出ているひこばえは、たとえ元気でも残すべきではありません。

それを伸ばしてしまうと、樹形が乱れたり、管理が難しくなったり、他の枝と競合してしまうからです。

つまり、ひこばえにも「残すもの」「刈るもの」がある。

見極めながら、刈払機をそっと動かす。

この地味だけれどとても大切な作業に、ハスカップ農家の春は支えられているのです。


広い畑をひとりで刈っていると、ついスピードを上げたくなるもの。

でも、そうすると大事なひこばえを切ってしまうリスクが上がる。

スピードと慎重さ、この相反するふたつのバランスをどう取るか。

そこに農家としての腕が問われているような気がします。


まだまだ草との戦いは続きます。

でも、そのひとつひとつが、未来の実りにつながっていると思うと、力が湧いてきます。


——今年も、美味しいハスカップが実りますように。


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今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スイ ウヌカラアン ロー!(アイヌの言葉で「またお会いしましょう!」)

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北海道厚真町でハニーベリー(ハスカップ)農園を営む”畑嶋ハスカップ農園”です。
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