堆肥切り返し“トラクター修行日記”

堆肥切り返し“トラクター修行日記”

イランカラㇷ゚テ!(アイヌの言葉で「こんにちは!」)

好きなチャーハンは、卵チャーハンです。
卵とネギだけのシンプルなチャーハンが好きな研修生Hataです。

いつもご愛読ありがとうございます。


「88歳の師匠に学ぶ――堆肥切り返し“トラクター修行日記”とハスカップ予約便り」

トラクター操縦

 目の前にそびえる堆肥の山は、畑嶋ハスカップ農園の“黒いダイヤ”。ハニーベリー(ハスカップ)の甘さと酸味を引き立てるふかふかの土を育む大切な資源です。しかし、発酵途中の堆肥はまだ窒素分が多く、放っておくと根を焼きかねません。そこで欠かせないのが “切り返し”――内部に酸素を送り込み、微生物の働きを活発化させる工程です。

 ――とはいえ、その作業量は膨大。ここで頼りになるのがフロントローダー付きトラクター。けれどバケットを思い通りに操るのは一朝一夕にはいかず、今日も私はキャビンの中で格闘していました。先端をわずかに傾けるだけで、堆肥はこぼれ落ち、重心がブレればタイヤが空回りする。汗と泥で視界が曇るたびに思い出すのは、88歳の農園主・昭さんの神業です。

 昭さんは、まるで指揮者がタクトを振るように、バケットを滑らかに操ります。堆肥の山に突き刺し、ひとさじすくい、宙に持ち上げ、くるりと方向転換。わずか三呼吸ほどで山は見事に裏返され、湯気がほわりと立ちのぼる。その姿に近づこうと、私は今日も練習あるのみ。アクセルを踏む足に力を込め、ハンドルを切りながら“堆肥の波”を押し返しました。昨日よりほんの少しスムーズに動いた気がして、キャビンのガラス越しに空を見上げると、雲の切れ間から差し込む光が「ちゃんと成長しているよ」と励ましてくれているようです。


 なぜ切り返しが“おいしいハスカップ”を作るのか? 

  1. 酸素供給で発酵促進

     好気性菌が活動しやすくなり、未熟なアンモニア態窒素が穏やかな有機態へ変換。これが根への刺激を防ぎます。

  2. 温度ムラの解消

     外側で冷えた部分を内側へ、内側で過熱した部分を外側へ入れ替えることで、全体が均一に完熟。病原菌の死滅にも貢献します。

  3. 微生物多様性の向上

     空気とともに新たな微生物が混ざり合い、多様な分解系が稼働。結果としてカリ・リンなどのミネラルバランスが整い、ハスカップの風味を底上げします。

 切り返しの頻度は季節や含水率で変わりますが、目安は発酵熱が下がりはじめる頃。蒸気の上がり方と匂い、そして手のひらに感じる温度。それらを見極める昭さんの“職人感覚”こそ、私が習得したい最大のスキルです。


トラクター操縦の三つのコツ(初心者メモ)

  1. バケット角度は常に水平を意識

     切り返しでは地面をえぐらず、素材だけ掬うことが肝心。水平ラインを保つと堆肥ロスが減ります。

  2. 少量から慣れる

     一度に欲張らず、バケットの1/2ほどの装填で操作感覚を体に刻み込むと、機体の揺れが減り安全。

  3. アクセルは“早めに抜く”

     惰性で滑らせるイメージ。余計な回転で堆肥を飛散させず、省燃費にもつながります。 


  こうして今日も、ペダルの振動とエンジン音が心地よいBGM。堆肥の香りの向こうに、ハスカップの甘酸っぱい未来が見えてきます。畑の隅で小さく揺れる青いネットの向こう――今年も実りの季節が近づいている証拠です。

 その証として、オンラインショップ《りすとかまどとハニーベリーと》では今月よりハニーベリー☆ハスカップの予約販売をスタートしました。完熟堆肥と北海道の澄んだ空気が育んだ果実を、クール便でお届けします。品種は糖度12度以上の「あつまみらい」「ゆうしげ」、そして昔ながらの在来種。数量限定のため、お早めにチェックしてくださいね。


観光農園は、6月30日(月)からスタート予定。

ハスカップの摘み取りと、農園カフェの特製スイーツ&ドリンク。どちらも楽しめる7月5日と12日は、特別な日になること間違いなしです。

夏の一日、ぜひ畑嶋ハスカップ農園へ遊びにいらしてください。


○公式Instagramはこちら
・畑嶋ハスカップ農園
https://www.instagram.com/hatashima_haskap_farm/

・カフェ《りすとかまどとハニーベリーと》
https://www.instagram.com/risu_kamado_honeyberry/

◯公式LINE
https://lin.ee/FubDsgu

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スイ ウヌカラアン ロー!(アイヌの言葉で「またお会いしましょう!」)

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