春の訪れとともに、今年もはじまるハスカップの季節

北海道・厚真町の畑嶋ハスカップ農園では、ようやく春の気配が感じられるようになってきました。冷たい風の中にも、やわらかい陽ざしが射し込み、畑に立つと、ひとつひとつの枝先に命の芽吹きが見えてきます。

昨日、今日と続けて行ったのは、防除作業。対象は、ハスカップの大敵「アブラムシ」です。昨年はこの小さな害虫に悩まされ、無力感を感じたシーズンでもありました。

「今年こそは」──そんな思いで、この春は早めの対策を開始。こまめに見回り、異変を感じたらすぐに対応。植物たちと本気で向き合うことで、虫たちのリズムよりも一歩先を行こうと決めました。

防除作業中、ふと目をとめた枝の先端。そこには、ふっくらとした花芽が、日差しを浴びながら、静かに、確かに、膨らんでいました。

思わず「おっ」と声が出るほどの、小さな発見。枝の一本一本をよく観察しなければ見逃してしまうほどの、初々しいつぼみたちです。寒さが続いたことで成長はゆっくりでしたが、それでも春の気配を感じ取っていたのですね。

明日からは、ようやく暖かい日が続く予報。きっとこの花芽たちも、いっせいに咲き始めるでしょう。

この時期の畑は、毎日が発見の連続。季節の変わり目は、植物の変化もめまぐるしく、「昨日はなかったはずの芽が、今日はもう咲きかけている」そんなことも珍しくありません。

この畑で過ごす春のひとときが、私たちにとって何よりのごほうび。花が咲き、実がなり、それを誰かに届けられる未来を想像するだけで、背筋が伸びて、手のひらに力が入ります。

今年もいよいよ、ハスカップの季節が始まります。

また畑から、リアルタイムの成長の様子や、天候による変化、農園の日常などをお届けしていきますので、どうぞお楽しみに。